2013年8月24日土曜日

名作とSLGの作り方

昔作った(1プログラマとして携わった)ゲームを、今、検索すると、結構レビューが貯まっていたりします。

そして現在、blog時代になって、しっかり語られていたりするのを見ると懐かしいのけど、あるゲーム(以前ここで紹介した)が、やたら高い評価が貯まってて驚いた。

僕が主に担当したのは、6:52あたりからの、シミュレーションゲームシーン。
ここの、バトルアニメ:ON時の「バトル中演出」を除く全てでした。




勝手に評価サイト紹介:
壮大なストーリーと高い戦略性が魅力の神の血を引く勇者の息子・カケルの大冒険!ドラゴンナイト4
http://homepage3.nifty.com/garakuta-dou/kannsou81.html

実はPS版でもユニット間の性能バランスそのものは取れていると言いがたく
忍者隊は脆すぎ! ドラゴンナイト隊と魔法隊は強すぎ!みたいになりがちなのですが
このあたりは個人的に高く評価している部分です。
はい、忍者ってWizardlyでも弱いでしょ?と思ってそうしました。

「移植作随一の高難易度を誇るSLGモード」
敵のボスクラス体力が最大値であろうと一撃で全滅させるするぐらいザラです。
そうあるべきでしょ?

特にラストバトルでは敵が縦一列に配置されて一歩ずつ近づいてきたのには驚きました。
しかも最も奥にいるラスボスのルシフォンは開戦当初は動かず
中ボスが交戦し始めると強力な側近ユニットを従えて一気に近づいてきます。
はい、そうしました( ゚- ゚)


製作陣の人の悪さがにじみ出ているかのような仕様になっています(苦笑
…( ゚- ゚)


で、得点9点
有難うございます!
苦労が報われます。
もちろんSLG部分だけでなく、このゲームは、ストーリーも偉い人が書いていて、そこもとんでもなく良いです。

PSソフト「ドラゴンナイトIV」の雑感


この紹介記事は画像も多く、ゲームがよく分かります。
SLGモードについては、面と向かって褒められてる感じじゃあないけど…

難易度はPC98版よりも格段に難しくなっている。普通パソコンから家庭用に移植すると難易度が簡単になりすぎるが、これは逆。特に敵の思考ルーチンがものすごい嫌らしい。シミュレーションゲームって1匹ずつおびき出して倒すのが定石だと思うんだけどそれを許してくれない。敵が動くときは数部隊同時とか。
プレイヤーが操作するときも、そうすると思うんだ。人間らしいAIって何だ?と思って組んだ。
体力が減ったら、防御力の高い城に戻るとか。

いつも残りターン数ギリギリの戦いを強いられた。敵のボス級のパラメータが凄く強く、先制攻撃を許すとこちらのエースユニットが一撃で壊滅寸前まで削られる。育ててない部隊はすぐに蒸発。戦死してゲームから消える。とにかく難しい。
これはかなりこだわった。
最初のステージでも、残り1~0ターンでしかクリアできないようになっていると思う。

多分、激ムズ。

でも、これが残り2ターンでクリアできるようにしてしまうと、「何も考えなくても勝てる」ゲームになった。

それでは最初プレイした人に、「シミュレーションゲームモードは面白くない」と思われてしまうんじゃないかと、恐怖感があった。

「手応えが無いゲームって、たまにあるけど、なんなの?それってゲームじゃない。僕たちは、猿じゃない!」
というのがその時の信念でした。

ぎりぎりまで追い詰められて、頑張って考えて、出来た!という感覚が、達成感であり、面白さ、だと思う。

最終面は、10回ゲームオーバーになってクリアできたら超優秀ゲーマーでしょう。そんなバランスを目指した。
ここまでやったら、100回死んでもやるでしょう。
そして、絶大な達成感を感じつつ、感動的なエンディングを見れるのです。

いまソーシャルゲームでは、「報酬設計」すなわち「討伐報酬」「ランキング報酬」が大事になってきているけど、「達成感報酬」をうまく設計できればその10倍は感じて頂けると思う。

そしてこちらでは
100点満点中の100点という点数
頂きました。有難う…。嬉しくて泣けてきた(;_;)

このゲームは恵まれていて、最初からこういうコンセプトが揃っていた。
・最高のシナリオ
・エロゲ由来のビジュアル
・SLGモードでの難度の高いゲーム性
・RPGモードによるアドベンチャー
・段階的に進捗感を味わえるステージ制

こういうゲームを、また作りたいです。


さて、SLGゲームのアルゴリズムって難しくないの?と質問が来たので、一部解説。

例えば、複雑な地形を、敵AIが、どうやって目的地に行けるのか…ついて。

*ゲームがヘックス(6角形)だったのでこうですが、スクエア(4角形)でも基本は同じです。


B地点から、始めるのがコツ。


ユニットにも個性があり、どこは通れない~とか、また、敵の近くには行けない~等を考慮して、プロット時に補正をかけたりして、最終的なコースのめどが付き、あとは「移動力」以内で移動するのみです。
ユニット選択時の、移動範囲表示、攻撃範囲表示も、これを応用しています。

移動、どうしよう・・と思って、紙にボールペンでいろいろ書いて半日悩み、半日テスト実装して、これだ!と思って、本番採用しながらあとは開発中に他のタスク消化しながらぼちぼちブラッシュアップしていく…、という感じ。



シミュレーションゲーム部分の、開発タスク一覧を思い起こすと…

基本は

・MAPの表示
・全キャラの表示、移動、アクション
・移動範囲の表示
・MAPエフェクト(雲の影等)
・UI(ステータスウィンドウ、設定画面)の表示
・バトルアニメ呼び出し、戻り
・バトルアニメOFF時の簡易バトル演出(えぇ、しょぼいですよw)
・会話ウィンドウの表示

そして

・UIの、レイアウトや演出
・会話、断末魔システム
・フォント表示システムもやったような…
・移動範囲のキラン!演出
・PLAYERTURN等の演出
・黒い霧の演出
・最終面のラスタースクロール
・あと、敵のバランス、配置、ターン数等はDIRと調整、
・全敵キャラのAI
・AIのバックグラウンド処理

等々。

「そして」以後は、特に仕様要望になかったけど、自主的にやった。

別に言われてやったわけじゃない。ここに、これ、あったほうがいい、と思ってやった。
週末、出れば、これ改造できるな…、直せるな…と思ったら出てやった。
外注なので残業代無し。

だって、そのほうが良いゲームが出来るでしょ?
エンジニア、プログラマとしてゲーム作りに関わるのは何のため?給料をもらうため?違うでしょ。
良いゲームを作るため、でしょ。買ってくれるお客様・子供たちの笑顔を見るためでしょ。
他にないでしょ。

そういうワークスタイルを期待して、今の会社は裁量制にしたけど、どうよ。

ま、僕はこれで2か月半でやりましたが( ゚- ゚)ドヤ


そういえば、裏コマンドでプレイヤーも含め全自動AIモードやハイスピードモードがあるのだけど、ばれてない模様w

en → ja
现在